【お話】自動販売機
みなさん、こんにちは。
そろそろ夏の季節がやってきますね。
まぁ、明日の気温は真夏日の予報なんですよけね。
近年は特にどの時期から夏なのか分からなくなってきましたね。
話は変わりますが、先月健康診断の結果が出まして。
思いっきり肥満体質だと診断されました。
最近太ってきたねとよく言われてましたが・・・。
それにしても85キロは流石に太りすぎですね・・・。
そんな訳で健康の為にも最近、通勤手段を自転車から徒歩に変更したんです。
会社から自転車で10分のところが倍近くなりましたが、これも太った身体に鞭を入れる為です。
それで自転車とは違うルートで会社に向かってたんですが、ふと気になった事がありまして。
住宅街ではよく見かける細い道路を歩いたところ、一軒の住宅の敷地にポツンと小さな自販機があったんです。
こんな細い道路に自販機があるなんて珍しいなと思ってたんですが、ちょっと様子がおかしかったんですよ。
ダミーラベルが全部入って無かったんですよ。
自販機自体も起動しているような気配も無く。
もう使われなくなったのかなと、ふとその自販機に寄ってみたんですよ。
ボタン押しても特に反応無し。まぁ当然の事ですが。
お金も入れようとも考えてましたけど、どう考えても入れたお金は戻らないだろうと察しまして。
始業時間もあって、とりあえず気にしないでおこうとその場を去った訳です。
それでその日の夜。
その日は珍しく夜9時まで働いてたんですよ。
それで帰り道も例の自販機がある細い道路を通ってたんですが・・・。
その自販機が何故か明かりに灯されてたんですよ。
しかも今朝は無かった筈のダミーラベルも入ってる状態で。
あれ?朝見た時は何も無かったのに。
不思議に思いましてふとその自販機に寄ってみたんですが、どう見ても今朝の時とは違って電源が入ってたんです。
なんだか不思議な自販機だなと思いましたが、その日は正直疲れが溜まってまして。
その自販機から何一つ手を付ける事無く、そのまま家に帰ったんですね。
次の日の朝。
その日も徒歩で出勤してたんですが、例の細い道路を通ったところ。
例の自販機は昨日の夜のまま機能してたんですよね。
昨日の朝のスッカラカンは一体何だったんだろうと思いまして。
とりあえずこの自販機で飲み物買おうと思い、財布を取り出そうとしたらですね。
後ろから女性の声が聞こえまして。
「ちょっとアンタ!その自販機壊れてて使えないから、別の自販機で買った方がいいわよ!」
振り替えて見たら、自販機の目の先にある住宅の住民と思われる女性が居まして。
女性は続いてその自販機で飲み物を買おうとお金入れてボタン入れたら商品が出てこなかった事を言ってました。
ああ、この自販機ちょっと壊れてたんだなと。
女性にお礼を言って、その場で立ち去ろうとしたんですが、ふと疑問がありまして。
私は昨日の朝の自販機の事をその女性に言ったんですが・・・。
「あら?この自販機よく壊れるけど、そんな事は一度も無かったわよ?」
と首を傾げながらそう言い、家に入って行きました。
あれ?それじゃ昨日の朝のスッカラカンは何だったんだろうと。
ただ、あの事は鮮明に覚えていた。
ダミーラベルが無かったし、電源も入ってる感じでは無かった。
私はこれは何かあるなと思い浮かびまして。
会社に行って、この事を同僚に話をしたんですね。
話を聞いた同僚は、
「それだったら自販機の会社に電話すりゃいいじゃない?」
と至当な事を言いまして。
私も確かにと思い、帰り道にその自販機に寄って、その自販機の会社に電話しようと思い立ったんですね。
その日の夜、私と興味を持った同僚が例の自販機に寄ろうとしたんですが・・・。
その自販機は昨日の朝と同じ現象が起きてたんです。
電源が入って無く。
今朝あったはずのダミーラベルも無い。
私は思わず絶句しました。
何故?
その言葉以外見つからなかった。
確かに今朝はダミーラベルもあったのに・・・。
一緒にいた同僚はそんな私をよそに自販機の至る所を調べてたんですが・・・。
「あれ?この自販機、ちょっと変だな?」
そう。
この自販機のおかしな事はまだあったんです。
「そもそもメーカーのロゴが一切無いし、販売先の電話番号も書かれてない・・・」
結局色々調べても何も分からず、私と同僚は今晩のところは諦めてそれぞれ家に帰ったんです。
それから何日かはあの細い道路にある自販機を見てたんですが、結局自販機の電源は落ちたままでした。
休みの日、同僚があの自販機をずっと監視してたみたいですが、結局何事も無かったそうです。
いやいや、暇なのかな・・・。
が、つい先週の日の事。
その日は結構夜遅くまで仕事してたんですね。
時刻は夜の10時半。急ぎ足で家に帰ってたんですが。
例の自販機が起動してたんです。
思わず二度目したんですが、確かに自販機が機能してたんです。
私は恐る恐るその自販機に寄りました。
商品を見てみたら、全て大手メーカーのペットボトル商品でした。
私はお金を入れて、ペットボトルのお茶のボタンを押しました。
ガタン!!
・・・買った。買えた。
私はすぐに飲み物を取り出し、何故か嫌な予感がして、その場を急ぎ足で去りました。
何故嫌な予感が過ぎったのかは、その時の私と神のみぞ知るのですが・・・。
家に帰った後、私はそのペットボトルのお茶を注視してみました。
一見何もない、大手メーカーのお茶のペットボトルではある。
価格は100円。というかあそこにある自販機の商品は全て100円でした。
ただ、あのよく分からない自販機で買ったお茶を飲もうという気は全くありませんでした。
あの怪しい自販機の謎を解明するまでは飲んではいけないような気がしました。
私はすぐに同僚にこの事を電話しました。
同僚も私同様にそれは飲むべきじゃないと言ってました。
そして同僚は「友達に理化学の研究している人が居るから、そいつに調べてもらおう」と言ってきました。
次の日は丁度休みだったので、私と同僚はその友達がいる研究所に寄る事にしました。
次の日の朝。
待合場所の駅に向かう前に例の自販機を調べようと寄ってみたんですが、
例のごとく電源が落ちててダミーラベルも外れてました。
私は見渡す限り探ってみましたが、何も見つからず。
集合時間も押してたので、自販機から離れ、すぐに駅に向かいました。
駅には同僚が待っており、軽く挨拶したのち、研究所に向かいました。
(その途中、駅のトイレで何か事件があったみたいですが、電車が丁度来てて急いでたので何も聞き出せずにいました・・・)
その後、研究所・・・もとい某大学に辿り着き、正門に立っていた同僚の友達と挨拶を交わし、
早速ペットボトルのお茶を彼に渡しました。
彼曰く、今色々と立て込んでおり結果はちょっと時間かかると言ってたので、
LINE交換した後、彼の研究の邪魔になるといけないので、今日のところはココで解散した訳です。
(解散と言っても、この後同僚と映画見に言ったんですが・・・)
次の日の朝。
自販機の電源は切れたままでしたが、自販機の近くにこの前買う時に止めに入った女性が何か紙らしきものを貼っていました。
私は彼女に挨拶をし、今の自販機の状態の事を聞きました。
そしたら彼女は、
「この自販機、壊れてばっかだから撤去するらしいわよ」
と言って、彼女の家に入って行ったのでした。
貼り紙を見ると「故障の為使用禁止」と書かれていました。
撤去するのかぁと思い、結局謎のままこの事は終わるのかなと思いながら会社に向かいました。
会社に着くなり、同僚にこの事を言いました。
同僚も残念そうな顔をして、私と同じくこのまま謎のまま終わるかと言ってました。
その昼、私は上司に今まであった自販機の事を話しました。
そしたら上司は「これとは趣旨の違う話になるが」と述べた上で、
「君は『パラコート連続毒殺事件』を知っているかい?」と言ってきました。
私はその事件の事は某動画投稿サイトで知っていました。
概要をざっくり説明すると、1985年に日本各地で発生した未解決の無差別毒殺事件でして。
取り出し口等に農薬であるパラコートを混入した飲み物を置いて、
それを飲んでしまった人達12人が相次いで亡くなったそうです。
上司は昔は自販機に関する様々な事件が起きてたと言ってました。
その自販機もその類じゃなければいいねと茶化す様に笑いながら言いました。
上司はちょっと意地悪なところがあります・・・。いい人ではあるんですけどね。
結局その自販機はこの記事を書く前日にて撤去された様で。
跡形も無くなったところを見て、不思議と残念な気持ちになりました。
ちょっと不気味なところもありましたが、初めての非現実的な事が起きて、
私・・・いや、同僚もそれなりに楽しい体験をしたなと思ってます。
そういえば、まだあのお茶の鑑定はまだ終わって無いですが、結局何もなく終わるんだろうなと思います。
結局手を出しじまいでしたが、見た目でも大手メーカーが手掛けたお茶と何も変わりがないみたいでしたしね。
と言った感じで今回は終わりにします。
ちょっとした不思議な自販機の話でした。
皆さんもこんな珍しい自販機があるよというコメントを募集してます。
もしかしたら次の記事で取り上げる・・・かもしれません。
ではでは!
「ふぅ、投稿完了、と」
「さて、まだ夕飯食べてないし、テレビでも見て・・・」
『次のニュースです。先日〇〇駅のトイレで発見した遺体から毒薬が検出された事を警察から発表がありました。』
「あれ?この駅ってこの近くの・・・。そういえばこの前、駅のトイレで警察の人がかなり居たけど・・・もしかしてこれの事?」
『この事件に関わったとして東京都〇〇区の会社員、■■容疑者を殺人の疑いで逮捕しました。
『■■容疑者は同じような毒殺事件を他にも関わったとして、関係性と動機、そして毒薬の入手ルートについても調べています』
「うわ、こわ・・・。しかもうちの区域の人か・・・。捕まって良かったな・・・」
「・・・ん?電話だ。・・・あ、アイツの友達の人か」
「はい、もしもし」
『あ。〇〇さん・・・ですか?』
「はい。そうですが・・・・・・どうしたんです?」
『あ、あの・・・先日のお茶の鑑定が今終わったんですが・・・』
「・・・どうしたんです?」
『えっと・・・あの・・・これ・・・マズいですよ』
「・・・な、何がヤバいものでも入ってたんですか・・・?」
『は、はい・・・。あのお茶には』
ピンポーン!
「ん?」
『あ・・・』
「す、すみません・・・ちょっと待っててください」
『あ、はい・・・』
(誰だろう。何か頼んだ覚えが無いんだけど・・・)
(・・・あ、あの時の女性の方だ・・・)
ガチャ
「はい、どうしまし
グチャ・・・
『次のニュースです』
『昨日午後11時過ぎ、東京都〇〇区のアパートで20代の男性が刃物に刺されて殺害されてるのを男性が勤務している社員が発見されました』
『この事件でアパートの近くに住む50代の女性が男性を殺害したとして、殺人の疑いで逮捕しました』
『また、この女性は先日起きた自販機連続毒殺事件を共謀したとして、関与を調べています』
終。
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